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第26話 「デスヤマト現る!」
N:西暦2210年、新宇宙戦艦ヤマトは、太陽系にせまるサルガッソーを消滅させ、
危機を救った。要塞イザドラゴンを打ち破ったヤマトだったが、強敵イザ兄妹は宇宙の
闇に消えていった。また、ユキとタケルは、トチロー、古代守と共にスサノオ脱出に成功した。
そして、古代は兄守と運命の再会を果たしたのだった。
〜ヤマト・第一艦橋〜
古代:ビデオパネルに切り替えろ!
パネルに映し出させる守、トチロー。
古代:兄さん!兄さんなのか?生きていたんだね!
守:ああ。トチローに助けられたんだ。
真田:トチローじゃないか!
トチロー:志郎!
古代:ご存知なんですか?
真田:ご存知も何も、宇宙戦士訓練学校の同期だよ。君の兄さんもね。
古代:そうだったんですか!
真田:お前達ふたりが一緒なら逃げられるわけだよ。
トチロー:うむ。だが、守が奴らにデスヤマトを奪われた際に負傷した。
真田:古代!
守:大丈夫だ。
古代:ユキは?タケルは?
ユキ:あなた!
タケル:パパ!
古代:ユキ!タケル!・・・その女の子は?
タケル:ミコちゃん。スサノオ星のお姫様だよ。
古代:スサノオ人?
ユキ:この子に罪はないは、私達の脱出を助けてくれたのよ。
古代:そうだったのか。
古代:兄さん、とにかくヤマトへ。
守:わかった!
メラルダ大帝:ヤマトよ、いや艦長古代進よ!妻子と兄の命が惜しければ、我々に降伏するのだ。
ヤマトのビデオパネルにメラルダ大帝の姿が浮かび上がる。
揚羽:電波はスサノオ本星からです。
メラルダ大帝:ヤマトを明け渡せば、お前の愛する妻子と兄の命の保証はしよう。
古代:お前は誰だ!
メラルダ大帝:私はスサノオ帝国連邦、大帝メラルダ。
古代:メラルダ大帝!移動性サルガッソーもあなたがたの仕業か?
メラルダ大帝:その通り。
古代:反宇宙のあなたがたが、なぜ我々の宇宙を、しかも銀河系の太陽系を狙ったのだ!
メラルダ大帝:いい質問だ、答えてやろう。見たまえ!
パネルに映し出されるスサノオ星の環境汚染。
空は灰色によどみ、海や川も濁り、かつての草原は砂漠化して動物たちの死骸が
散乱している。都市は荒廃し、人間は地下都市へ避難している。
メラルダ:スサノオ星は、お前達の地球と同じ太陽系の第三番惑星だ。
かつては我々スサノオ星もお前達の地球のように美しい星だった。
しかし、星間戦争の激化によって科学技術の進歩は不可欠となり、
技術は進歩したが、環境破壊が進んでしまったのだ。
真田:科学は人類の叡智だ!そこにはその星に住む住人としての母星に対する愛がなければ
ならない。
メラルダ:私に説教か?今のままではお前達もいずれそうなる!
古代:仮にあなたがたの星が絶滅の危機に見舞われているとしても、他の宇宙を侵略しても
良いという理屈にはならないはずだ!
メラルダ:侵略?とんでもない。これは共存だよ。
古代:共存?
メラルダ:そうだ。我々スサノオ人が地球に移住し、あぶれた地球人には気の毒だが
死んでもらう。もちろん、君達のような優秀な人間は生かしてやろう。
古代:ふざけるな!そんな勝手なことが許されると思うのか!
メラルダ:では、君の愛する妻子と兄がどうなっても良いと?
古代:全員脱出したぞ!
メラルダ:愚かものめ!貴様たちの行動などお見通しだ。
あの戦闘機には爆破装置を仕掛けておいた。いつでも爆破できるぞ。
古代:あの戦闘機にはお前の娘も乗っているぞ!
メラルダ:ミコか・・・。已むを得まい。
古代:なに?自分の娘ではないか!
真田:くっそー!なんて奴らだ!お前達は人間の姿をした獣だ!
メラルダ:何とでも言えば良い。30分待とう。
通信途切れる。
古代:(モニターで)兄さん!その戦闘機には爆破装置が仕掛けてある!
守:なに!?
古代:兄さん達の命と引き換えに、ヤマトを明け渡せと言ってきているんだ!
あと30分しかない!
守:わかった!必ず見つけ出してみせる!
〜守たちの乗った戦闘機〜
機内を探すトチロー、守。なかなか見つからない。
トチロー:ない!どこか別の場所なのか。
ユキ:(探しながら)時間がないわ。
ミコ:コノナカジャナイ!
タケル:え?
ミコ:オソト。
タケル:おじちゃん!外だよ!
機窓よりコスモタイガーが通り過ぎるのが見える。
坂本:(無線)ユキさん達の乗った戦闘機の外壁に何か付いています!
トチロー:そうか!
守:トチロー!船外作業だ!
宇宙服を着て船外に出る二人。
守:あった!
トチロー:マグネットミサイルか!
マグネットミサイルの取り外し作業に取り掛かる。
守:トチロー、慎重にな!
トチロー:任せておけ!こう見えても地球で一、二を争う技術者だぜ!
守:一番は真田だな!
トチロー:(ニヤリと笑い)言ったな!
取り外し完了する。
守:さすがに早いな。お見事だ!
トチロー:お褒め頂き光栄です。ハハハ。
コイツはこうしてやるぜ!(マグネットミサイルを思い切り宇宙の闇に投げる)
コスモタイガーがマグネットミサイルに接近する。
DUHYUUUuuunnn!!!
坂本:発射!
BAHYUNN!!! BAHYUNN!!!
DOCCAANNNN!!!
マグネットミサイル、爆発炎上する。
椎名:やったー!
〜ヤマト・第一艦橋〜
古代:やったぞ!着艦口を明けろ!戦闘機を回収する!
真田:北野!艦の修理を急いでくれ!
北野:了解!
相原が頭に包帯を巻いて第一艦橋に入ってくる。
古代:相原!大丈夫なのか?
相原:ええ、かすり傷です、もう大丈夫です!
揚羽:良かったぁ。
真田:艦長!敵の本星を叩こう!
古代:うむ。総員戦闘配置につけ!
〜デスラー艦・艦橋〜
デスラー:古代、スサノオ帝国の攻撃は私にやらせてもらいたい!
古代:(パネルで)デスラー!
デスラー:この闘いで死んでいった同朋の仇をとりたいのだ!
古代:わかった!
タラン:惑星破壊ミサイル母艦、前へ!
プロトンミサイル、発射!
DUHYUUUuuunnn!!!
プロトンミサイルがスサノオ星に向かって飛んで行く。
DOCCAANNNN!!!
崩壊するスサノオ星。
〜ヤマト・第一艦橋〜
古代:これでまた宇宙に平和が戻る・・・。
山崎:太助・・・。
古代:この戦いに散った戦士の霊に、敬礼!
敬礼するヤマト乗組員。
古代:(藤堂さん、やりました。)
沖田十三のレリーフ。
〜デスラー艦・艦橋〜
タラン:総統!あれは!!!
崩壊するスサノオ星の中から浮かび上がる巨大な影。
〜ヤマト・第一艦橋〜
古代:なんだ!!??
〜デスラー艦・艦橋〜
デスラー:あれは、、、ヤマト、、、。
〜ヤマト・第一艦橋〜
真田:ヤマトなのか??
太田:しかもヘビー級です!
真田:アナライザー!
ピコピコピコピコウィーンピコピコウィーン
アナライザー:全長2650m、全幅340m、全高770m、推定重量62万トン!
ヤマトの10倍スケールデス!
古代:10倍だって!?
南武:なんて大きさだ!
真田:以前に聞いたことがある!ノアの箱舟計画!
次郎:ノアの箱舟?あの旧約聖書の創世記にでてくるやつですか?
揚羽:神からお告げを受けたノアが、家族と多種の動物を乗せて、大洪水を乗り
越えようとするという・・・。
真田:ああ。太陽の核融合の異常増進で人類滅亡の危機に立たされた際、
大型のヤマトを建造して、ノアの箱舟にする計画があったんだよ。
古代:スサノオ帝国では、その計画が実現したと言うわけか・・・。
〜デスヤマト・第一艦橋〜
メラルダ大帝:ヤマトめ、踏み潰してやる!
〜ヤマト・第一艦橋〜
真田:まともにぶつかって勝ち目のある相手じゃない!
古代:白兵戦か・・・。
空間騎兵隊の古野間達が第一艦橋に飛び込んでくる。
古野間:艦長!
古代:古野間!
古野間:俺達に行かせてくれないか!
池垣:うむ。
古代:池垣隊長!
池垣:ダメだと言っても、俺達は行くぜ!
古代:隊長!
真田:闇雲に乗り込んでも犬死だぞ!
次郎:オロチ玉・・・。
真田:?
次郎:ヤマトはイザ兄妹のオロチ玉に苦しんだんですよね。
真田:そ、そうか!
次郎:大きいとは言っても、内部の構造はヤマトと同じだと思うんです。
それを逆に利用して・・・。
古代:エンジンを使えなくするのか!
真田:古野間!俺も行こう!波動エンジンのメカニズムは俺に任せてくれ。
トチロー:志郎!生きて帰れないかもしれんぜ!
真田:トチロー!
守:俺も行こう!
古代:兄さん!その身体では無理だよ!
守:こいつら二人だけに手柄は立てさせん。ふふふ。
真田、トチロー:ふふふ。
タケル:パパ!
古代:タケル!タケル!
駆け寄ってきたタケルを抱き上げ、思い切り抱きしめる古代。
その側にユキ。
ユキ:あなた・・・。
古代:よくがんばったな!
ユキの肩を抱き寄せる古代。
次郎:良かったな。
揚羽:ええ。
見詰め合う二人。
〜デスヤマト・第一艦橋〜
メラルダ大帝:主砲、発射!
BOWAAAANNNNN!!!
DOCCAANNNN!!!
デスラー艦が被弾、炎上する。
〜ヤマト・第一艦橋〜
太田:デスラー艦がやられました!
古代:なに!!援護しろ!!
ヤマトもデスヤマトへ向けて主砲を打ち込む。
BOWAAANNNN!!!
他のガルマンガミラス艦もデスヤマトへ向けて主砲を打ち込む。
BOWAAANNNN!!!
主砲が跳ね返される。
太田:ダメです。主砲が効きません!
〜デスラー艦・艦橋〜
タラン:総統!大丈夫ですか?
デスラー:私は大丈夫だ。
タラン:主力艦は全滅です。
デスラー:デスラー砲だ!
タラン:・・・・。
デスラー:使えぬ・・・か・・・。
迷走するデスラー艦。
〜ヤマト・第一艦橋〜
太田:デスラー艦が落ちていきます!
古代:デスラー!!!
N:崩壊したスサノオ星から現れた巨大ヤマトが、ヤマトとデスラーの前に
立ちはだかる。果たして、ヤマトとデスラーの運命は・・・。
つづく