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第11話 「反撃!次元転移ミサイルを攻略せよ!」
N:西暦2210年、火星地下ドッグで蘇った宇宙戦艦ヤマトは、太陽系にせまりつつある
サルガッソーの調査と謎の敵の正体を解明するため、銀河系中心部へ向けて発進した。
スサノオ帝国の人質となってしまった古代の妻ユキは息子猛が謎の少女と交わす
テレパシーに驚きを隠せなかった。
一方、サルガッソー調査船団はスサノオ帝国ダーデル艦隊の反粒子砲によって全滅。
助けに向かおうとしたヤマトもアスカ艦隊の次元転移ミサイルの攻撃に苦戦。
ようやく敵の位置を確認したコスモタイガーだったが・・・。
ヤマトに着艦していく加藤機。
〜ヤマト・艦載機格納庫〜
着艦した加藤機に駆け寄る古代。
古代:加藤、大丈夫か?
加藤:はい、私は無傷ですが、椎名が…。
古代:急いで佐渡先生に診てもらおう。
集まってきた乗組員をかき分けて走ってくる佐渡先生。
佐渡:どけどけ!何をモタモタしとるんじゃい!医務室に運ぶ前に死んだら誰が責任取るんじゃ!
古代:佐渡先生!
佐渡:こりゃひどくやられたなぁ。任しとけ!地球一の名医がついとる!さ、早く医務室へ!
京塚ミヤ子:はい、先生!
アナライザー:ホラホラ、ドイタドイタ!野次馬ハオコトワリダヨ!
乗組員をかき分けて担架で椎名を運ぶアナライザー。
BOWAANNN!!!
乗組員:うわぁ!
爆発の勢いで乗組員が倒れる。
艦内アナウンス:左舷後部損傷!
古代:もう見つけられたか!
相原(モニター):古代艦長、また次元転移ミサイルの攻撃です!真田さんから
至急第一艦橋へ戻って下さいとのことです。
古代:わかった。
〜アスカ艦隊・旗艦〜
スサノオ兵A:提督!ヤマトの動きを捉えました!
アスカ提督:よし!とどめを刺すのだ!大型次元転移ミサイル用意!
スサノオ兵B:はい、全艦、30分後のヤマトに向け大型次元転移ミサイル発射!
次元転移ミサイルを発射するアスカ艦隊
アスカ提督:フフフフ。ヤマトめ、最後だ!
〜ヤマト・第一艦橋〜
第一艦橋に入ってくる古代
古代:真田さん!次元転移シールドは?
真田:完成したぞ!
古代:テストは?
真田:そんな暇はない!
揚羽:真上からミサイル接近!!
太田:次郎!緊急発進だ!避けられるか?
山崎:(モニターに向かって)太助!エンジンフルパワーだ!
次郎:間に合いません!
古代:真田さん!!
真田:北野!シールドビーム準備だ!大至急だ!
北野:了解!
古代:南武、煙突ミサイル発射!
南武:煙突ミサイルでミサイルを迎撃します。
煙突ミサイルが発射され、次元転移ミサイルに命中する
BOWAANNN!!!
揚羽:やりました!
南武:フ〜ッ、間一髪だ。
真田:シールド掃射の際、空間の乱れに注意しろ!ヘタをするとこっちまで巻き込まれるからな。
北野:はい!
〜ヤマト・医務室〜
加藤:佐渡先生!椎名はどうなんですか?
佐渡:見たらわかるじゃろ?今、治療中じゃ。
加藤:助かるんですよね?
佐渡:お前、だれが手術しとると思っとるんじゃい。くだらんこと言っとる暇があったら
ヤマトカクテル作れや!
加藤:は、はい!わかりました!
佐渡:なあ、加藤。お前さんが付いていながらなんでこんな事になったんじゃ?
加藤:はい、すみません。私が危険だから敵艦には近づくなと言ったんですが…。
遅かったんです、もっと早く私が、、、。
佐渡:責任を感じとるのか?
加藤:・・・。
佐渡:お前も呑めや。
加藤:は?
佐渡:お前も呑めと言っとるんじゃ。
加藤:今の自分は酒など呑んでいる場合では…。
佐渡:バカモンが!お前がくよくよして椎名が治るかい!景気付けに酒呑んで、今自分に出来る
ことは何なのか、それを良〜く考えることじゃ。
加藤:先生・・・。
佐渡:しかし、椎名が一発でやられるんじゃからな。かなり手強いのぉ、今回の敵さんは。
〜ヤマト・工作室〜
北野:技師長!次元転移シールドビーム、準備完了しました!
真田(モニター):よし、掃射開始!
北野:掃射開始!
次元転移シールドがヤマトの周囲を覆う。
〜ヤマト・第一艦橋〜
太田:シールド、完全にヤマトを包み込みました。
真田:(頼む、効いてくれよ。)
次郎:ヤマト、このまま微速前進します。
揚羽:ミサイル接近!今度は大型です!
次元転移シールドに阻まれる大型ミサイル。そして、反転して逆転移していく。
〜ヤマト・第一艦橋〜
揚羽:ミサイル反転して消滅しました。
真田:やった!成功だ!
北野:技師長!やりましたね!
真田:ああ、北野、君のおかげだよ!
古代:真田さん!
真田:(頷く)
古代:よし、コスモタイガーが調査したF座標Jブロックの18にむけ、射程有効な全砲門で
攻撃開始だ!
南武:坂巻!主砲、副砲、新型波動カートリッジ弾装填だ!
今度の新型波動カートリッジ弾は、射程距離が3倍に延びただけじゃなく、
副砲にも装填可能になったんだ!
次郎:すごいですね!
坂巻:主砲発射用意!目標F座標Jブロック18、誤差修正右0.5上下角2度。
波動カートリッジ砲、発射!
波動カートリッジ弾がアスカ艦隊めがけて飛んでいく。
〜アスカ艦隊・旗艦〜
スサノオ兵B:次元転移ミサイルがこちらへ向かってきます!
アスカ提督:なに!?どういうことだ!
スサノオ兵B:わかりません!
アスカ提督:迎撃だ!迎撃しろ!
スサノオ兵A:間に合いません!
DOCAANNN!!!
逆転移してアスカ艦隊に次々に着弾する次元転移ミサイル。そして、波動カートリッジ弾が
アスカ艦隊に追い討ちをかける。
アスカ提督:なんということだ!うわあぁあぁあぁぁぁ〜!
DOCAANNN!!!
BOWAANNN!!!
N:不意を突かれたアスカ艦隊は、ヤマトの次元転移シールドと新型波動カートリッジ弾の前に
壊滅状態となった。
〜スサノオ帝国連邦・軍作戦司令本部〜
司令官:地球人の収容、完了しました。
エノラ参謀長:よし、大帝にご報告しろ。
司令官:はっ!参謀長、ちょっとお話が…。
エノラ:何だ?
司令官:はい、巫女(ミコ)様のことで…。
エノラ:ミコ様がどうした?
司令官:お部屋を出られて、囚人収容所に出入りしているようです。
エノラ:困りものだな。わかった、私から大帝には耳打ちしておこう。しかし、大帝は
お嬢様にはめっぽう甘いからお話を聞いてくださるかどうか…。
スサノオ兵B:参謀長!反世界太陽系前線基地より入電です。木星付近で地球の戦艦と
交戦中だったアスカ提督の艦隊が壊滅状態です。
エノラ:なに?アスカの艦隊が?
スサノオ兵B:提督の載られた旗艦は、何とか難を逃れたようですが。
エノラ:敵の名は?
スサノオ兵B:宇宙戦艦ヤマト。
エノラ:ヤマト?大帝が気にしておられたヤマトか…。
すぐにアスカと連絡を取れ!11番惑星にブラニッツ騎兵隊を配備してある。
体制を立て直させるのだ!サルガッソーによる太陽系攻略は、地球の攻略が肝心。
それからダーデルにも連絡を取れ!
スサノオ兵:はい!
エノラ:ヤマト、地球人め!我がスサノオ帝国の恐ろしさを思い知らせてやるは!
〜ヤマト・第一艦橋〜
揚羽:地球艦隊より入電。
古代:ビデオパネルチェンジ。
旗艦クライド艦長:こちら冥王星艦隊、旗艦クライド。ヤマト無事ですか?
古代:応援ありがとうございます。幸い敵の攻撃を何とか攻略することが出来ました。
旗艦ガリレオ艦長:こちら海王星艦隊旗艦ガリレオです。伊藤長官の命を受け参上しましたが
到着遅れて申し訳ない。
古代:海王星からも。無事、敵艦隊を撃破致しました。
クライド艦長:さすが古代艦長。
ガリレオ艦長:敵の実態はわかったのですか?
古代:現在、爆発した敵艦の破片の回収を行なっております。分析すればある程度のことが
わかるはずです。
ガリレオ艦長:我々の戦艦に似ているとの情報をキャッチしていますが…。
古代:詳しいことはわかりませんが、地球と何らかの関係があるのかもしれません。
いずれにしても、我々と同等、或いはそれ以上の高度な文明と思われます。
クライド艦長:手強い敵というわけですな。
古代:ええ、おそらく今迄闘った敵よりも…。
〜ヤマト艦内病院・椎名の病室〜
加藤:晶…(椎名の手を握る加藤。)。
京塚:加藤さん、少しお休みになって下さい。加藤さんが参ってしまいますわ。
加藤:彼女がこんな負傷をしたのは私の責任なんです。私の判断が遅かったばかりに彼女は。
京塚:加藤さん、あまりご自分を責めないで下さい。
加藤:俺たちコスモタイガー隊は、一人でも欠けたら任務の遂行が難しいんです。
だから、彼女は貴重な戦力です。
京塚:わかります。でも、皆さんにとって隊長さんはもっと必要な方ではないですか?
加藤:え?
京塚:平気ですよ!この子はきっと治ります!だって佐渡先生が手術されたんですから。
加藤:・・・?。
京塚:この子、前にも中央病院に怪我で搬送されたことあってね。その時も私が看護したの。
この子の口癖、平気、平気なのよ!
加藤:平気、平気。
京塚:そう。
〜回想〜
椎名:平気、平気!隊長は心配性ですね。
一人でアンドロメダに接近していく椎名機
加藤:椎名…。
〜ヤマト・第一艦橋〜
古代:これよりヤマトは修理の為、ガニメデ基地へ寄港する。
次郎:ヤマト、ガニメデへ向け全速前進!
揚羽:(キャッ!次郎カッコイイ!)
N:次元転移ミサイルに苦しみながらも、ついにアスカ艦隊を倒したヤマトは
木星の衛星ガニメデ基地へ向かった。傷ついた椎名の運命は…。太陽系に迫るサルガッソー。
その脅威が地球に最接近し人類滅亡まで、あと100と38日、あと138日しかない。
つづく