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第15話 「さらば太陽系!天の川への祈り 」
N:西暦2210年、新宇宙戦艦ヤマトは、太陽系にせまりつつあるサルガッソーの調査と
謎の敵の正体を解明するため、銀河系中心部へ向けて発進した。
スサノオ帝国アスカ提督の陰謀で凶暴化したコスモアントに襲撃された第11番惑星の
救出に駆けつけたヤマトだったが、コスモタイガー加藤と空間騎兵隊古野間が
人質となり負傷してしまった。しかし、再び襲ってきたアスカ艦隊の次元転移ミサイルを
ハイパー波動砲で撃破したのだった。
〜スサノオ帝国連邦・軍作戦司令本部〜
エノラ参謀長:何!?アスカがやられた?
ルバルス:はい。ヤマトの波動砲に・・・。
エノラ参謀長:次元転移ミサイルは?
ルバルス:対抗シールドを開発され、、、無念です。
エノラ参謀長:おのれヤマトめ。このままでは済まさんぞ。
ルバルス!ダーデルと共に屈辱をはらすのだ!
ルバルス:はっ!
エノラ参謀長:とっておきの艦を用意している。これを見ろ!
パネルに映し出される艦影。
ルバルス:こ、これは!
エノラ参謀長:はっはっはっはっはっ!ヤマトめ!腰を抜かすぞ!はっはっはっはっはっ!
〜ヤマト・第一艦橋〜
佐渡:古代!加藤、池垣二人とも緊急手術じゃ。
古代:悪いんですか?
佐渡:いやぁ、心配するほどのことはないが、早いにこした事はないからな。
古代:いっぺんに二人も?
佐渡:誰が手術すると思っとるんじゃ!それより、ワープは待ってくれよ!
手術しながらワープというわけにはいかんじゃろ!
古代:わかりました。
古代:次郎!二人の手術が終了したら連続ワープに入る。
太田:頼んだぞ!
次郎:はい!
〜ヤマト・手術室〜
「手術中」のランプが点灯する。
坂本:隊長・・・。
古野間:隊長・・・。
顔を見合わせる二人。
坂本:池垣隊長のことだぜ。
古野間:加藤隊長のことだよ。
二人:(微笑みあう)
〜スサノオ本星・ユキと猛の牢獄〜
テレパシーで会話する猛と巫女。
猛:ミコちゃん!
巫女:タケル、ココカラ、ダシテアゲタイケド・・・。
猛:ミコちゃん、警備兵からこっそり鍵を取って来てくれないか。
巫女:タケル、ワタシ、コワイ。
猛:大丈夫!ミコ!出来るよ!
巫女:・・・。
猛:ミコ?
巫女:オッキナ、オフネ、ツクッテルヨ。
猛:お船?
巫女:ヤマト。
猛:ヤマト?いまヤマトって言ったの?
ユキ:まさか!?
猛:ヤマトって名前なの?その船・・・。
巫女:ソウ。ヤマト。
猛:見せてくれないかな?ミコ!
巫女:コワイ!
猛:ミコ!ミコ〜!
テレパシーが途切れうなだれる猛。
ユキ:タケル・・・。
〜地球防衛軍・火星基地〜
伊藤長官:それで、11番惑星は?
古代(通信モニター):残念ですが。
伊藤:そうか・・・。
古代:私達が到着した時には、既にコスモアントの犠牲に。
伊藤:実はな、藤堂さんが、、、。
古代:相談役がどうかされたんですか?
伊藤:体をこわされて入院されたんだよ。
古代:え?
伊藤:今すぐ命に関わるということはないとのことだが、君達には知らせておくべきかと。
古代:そうでしたか。ありがとうございます。
伊藤:藤堂さんが言っておられたんだ。
古代:?
伊藤:地球を一番愛しているのはヤマトの戦士だと・・・。私もそう思うよ。
古代:長官・・・。
お気持にお答えできるよう、全力でがんばります!
伊藤:頼むぞ!古代艦長!
〜ヤマト・展望室〜
揚羽:またここか。
次郎:ああ。こうして空を見ていると心が落ち着くんだ。
揚羽:私もよ。いつもこの星空に祈ってるわ。
次郎:うそみたいだよな、もうじきサルガッソーが迫って太陽系が破滅してしまうなんて。
揚羽:だから、そうならないようにするのが私達の役目でしょ!
次郎:簡単に言うなよ!
揚羽:簡単じゃないってことは、わかってる。
次郎:・・・。
揚羽:でも、私達があきらめたら地球はどうなるの?
次郎:うん。
揚羽:がんばろう、次郎!
次郎:アッコ。
揚羽:なーんて、私の柄じゃないけどさ!
次郎:なんだよ!折角盛り上がってたのに!
揚羽:次郎!盛り上がってるって、何が?
次郎:え?いや、別に、あの。
揚羽:ねえ、いやらしいこと考えてたんじゃないでしょうね!
次郎:何だよそれ!バカじゃねえの!
揚羽:バカとは何よ!
次郎:バカだからバカって言ったんです〜!
坂巻:おいおい!お二人さん!俺達も入れてもらっていいかな?
二人:え?
雷電:あんまり仲良くしてるんで、話しかけづらくてな。
二人:そ、そ、そんなことないですよ!
坂巻:下じゃあ加藤隊長と池垣隊長の手術成功で賑わってるのによ!
君達二人はこんな所で二人だけでデートかい?
次郎:デ、デ、デートなんかじゃありませんよ!じ、じ、自分はただ星空が見たくて!
揚羽:そ、そ、そうです!わ、私も星を見に来たら偶然・・・。
雷電:まあ、それはどうでもいいけどな。手術が終わったらすぐにワープじゃなかったか?
次郎:いっけねー。
揚羽:ヤバイ!
坂巻と雷電を押し分けて走り出す次郎と揚羽。
雷電:若いって、いいよなぁ。なあ、坂巻よ〜。
坂巻:そうかい?俺はドンパチやってる方が楽しいけどな!
雷電:色気のねえ奴!
〜ヤマト・展望室〜
ヤマト・手術室前
京塚:どいてください!道を開けて!
京塚が加藤を、アナライザーが池垣の移動ベッドを押していく。
佐渡:二人ともさすがヤマトのクルーじゃ。大した体力だ!
京塚:はい。
アナライザー:ハイハイ、手術ハ大成功!皆サン自分ノ持チ場ニ戻ッテ下サイ!
集まった乗組員:良かったなぁ。ああ。
〜ヤマト・病室〜
京塚:加藤さん、あなたは椎名さんの隣にしてあげるわ。
眠り続けている加藤。椎名のベッドの隣にベッドを動かしてくる京塚。
椎名:た…い…ちょ…う…。
目を開ける椎名。かすかに手を動かす。
京塚:椎名さん?椎名さん?
椎名:隊長は・・・私の・・・せいで・・・怪我を?
京塚:あなた、わかるのね?意識が戻ったのね?
椎名:(頷く)
京塚:良かった〜!隊長も喜ぶわ!大丈夫、隊長が怪我したのはあなたのせいじゃないわ。
11番惑星の戦闘でね、でももう大丈夫。すぐに良くなるわ。
椎名:わたしは・・・。
京塚:あなた、ずっと眠っていたのよ。一人で敵艦に接近してやられてしまって、隊長に
助けてもらって。
椎名:そうですか。私、よく憶えていないんです。
アナライザー:ワ〜!椎名サン、回復シタンデスネ!
京塚:そうそう、アッコちゃんに知らせてあげなくちゃ。あの娘、あなたのこと心配して
一日に何度もお見舞いに来てたのよ!それから、加藤隊長も。ずっとつきっきりで。
椎名:隊長・・・アッコ・・・。(涙を流す)
京塚:隊長とどっちが治るの早いか、一緒にがんばってね!
椎名:はい。
〜ヤマト・第一艦橋〜
古代:これよりヤマトは連続ワープで太陽系を後にする。総員、ワープ準備!
次郎:さらば太陽系、また会う日まで!
相原:艦長!今、病室の京塚さんより連絡がありました。椎名が意識を取り戻したそうです!
古代:そうか!
次郎:良かったじゃないか!アッコ!
揚羽の手を取り喜ぶ次郎。
揚羽:うん!祈ってたから!絶対治るって信じて祈ってたから!(涙ぐんでいる)
次郎:うん。
古代:次郎!気持はわかるが席にもどれ!ワープ準備!
次郎:す、す、すみません!
ヤマト、これより連続ワープします!
古代:(待っていてくれよ調査船団!そして、、、ユキ、タケル!)
山崎:波動エンジン異常なし。エネルギー120%。
真田:ワープ10秒前。自動制御システム、スイッチオン。
次郎:ワープ5秒前。5、4、3、2、1、連続ワープ
古代:連続ワープ!
異次元を航行するヤマト。
歪む艦内。
宇宙空間に出現し、またワープして姿を消すヤマト。
光と時間の錯綜。時空を進むヤマト。
宇宙空間に出現するヤマト。
太田:ワープ終了。
真田:船の損傷認めず。
古代:現在位置確認。
揚羽:前方に いて座ロス154確認。予定通りです。
太田:銀河系中心部まであとどのくらいだ?
揚羽:約1万6千光年くらいです。
今と同程度の距離の連続ワープをあと2回する必要があります。
真田:ガニメデでしっかり補修してあるから、艦のほうは心配ない。
古代:よし、一時間後に二回目のワープに入る。
異次元を航行するヤマト。
空間騎兵隊の隊員がフワフワと艦内に浮いている。
宇宙空間に出現し、連続ワープする消すヤマト。
宇宙空間に出現するヤマト。
〜ヤマト・第一艦橋〜
次郎:2回目の連続ワープ終了!
古代:総員、艦内のチェックに当たれ!3回目のワープに備えて艦内のチェックに当たれ!
揚羽:前方に爆発反応!
太田:戦闘中と思われます!
真田:どこの船だ?
太田:距離がありすぎてつかめません。
古代:相原、何か信号はキャッチできないか?
相原:まだ何も。
古代:コスモタイガー発進準備!坂本!前方の戦闘の状況を偵察する!
俺も行くからコスモゼロに続け!
真田:古代、ヤマトは俺が指揮しよう!
古代:頼みます!
コスモゼロに乗り組む古代。
古代:発鑑!
コスモゼロの後から続くコスモタイガー隊。
古代:全機、密集体系で続け!
〜ヤマト・第一艦橋〜
真田:(古代、むちゃするんじゃないぞ・・・。)
BOWAANNN!!!
冥王星艦隊、旗艦クライドが攻撃を受けている。
乗組員C:左舷前方に被弾!
BOBOWAANNN!!!
乗組員C:続いて右舷にも被弾!
BOWAANNN!!!
海王星艦隊旗艦ガリレオに命中するミサイル
BOWAANNN!!!
古代:これは、冥王星艦隊と海王星艦隊じゃないか!
こちらヤマト艦長、古代!クライド艦長!応答されたし!
ガリレオ艦長!敵は、敵は何者なんですか?
凄まじい光の束が両艦隊を襲う。
坂本:艦長!危険です!離れてください!かんちょ〜う!
N:加藤と池垣の手術は成功に終わった。コスモタイガー椎名も意識を取り戻した。
連続ワープを行い太陽系を後にしたヤマト。だが、2回目のワープ明けで目にしたのは
凄まじい攻撃を受ける地球艦隊の姿であった。偵察に飛び立った古代はどうなるのか。
囚われの身となったタケルが聞いた大きな船「ヤマト」とは何か。
太陽系に迫るサルガッソー。急げヤマト!人類滅亡まで100と20日、あと120日しかない。
つづく