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第17話 「ヤマト、反粒子砲を撃破せよ!」
N:敵の攻撃で壊滅状態の地球艦隊から生存者を救出したヤマト。
その生存者から聞いた反粒子砲は恐るべき武器であった。
対策を急ぐヤマトにルバルス艦隊の反粒子砲が襲い掛かる。
その頃、牢獄から逃げ出したユキとタケルは。
〜スサノオ本星・牢獄〜
巫女:タケル、コッチヨ!
猛:ミコちゃん、待って!
タケルはユキの手を引いて、巫女を追いかける。
警備兵A:おい、捕虜が逃げたぞ!
警備兵B:なに?どうやってカギを開けたんだ!?
警備兵A:まだそんなに遠くへは行っていないはずだ。
追うんだ!
警備兵が廊下の壁にある非常警報ボタンを押す。
Weeeennn、Weeeennn、Weeeennn!!!
ユキ:気が付かれたワ!
巫女:コッチ!オオキナオフネ!
猛:ミコ、この先にヤマトがあるの?
廊下を走る三人。
巫女:オッキナ、オフネ、ミニイク。
猛:うん、案内して!
巫女:ウン。
タケル達を追う警備兵多数。
猛:ママ、こっち!
廊下の物陰に隠れて警備兵が行き過ぎるのを待つ三人。
ユキ:・・・。
巫女:・・・。
警備兵が走り去る。ユキがタケルとミコの手を引いて逆方向へ走り出す。
ユキ:(絶対、逃げてきってみせる!)
三人に気付く警備兵達。
警備兵:おい、いたぞ!あっちだ!
〜スサノオ本星・指令本部〜
メラルダ大帝:騒がしいな。何があったのだ。
エノラ参謀長:はい、例の捕虜が脱獄しました。
メラルダ:なに?どうやって!
エノラ:巫女様が脱走の手引きをされたとのことです。
メラルダ:そ、そんなバカな!
スサノオ兵:現在、捕虜2名と共に逃走中です。
エノラ:いかが致しましょう?
メラルダ:ラシーヌはおらぬか!?
ラシーヌ王妃:何の騒ぎです?
エノラ:これはこれは、王妃。お休みのところ、お騒がせしてすみません。
メラルダ:ラシーヌ、お前の教育がなっていないのだ!
ラシーヌ:いきなり何を申されます!
エノラ:実は巫女様が・・・(ラシーヌに耳うちする)。
ラシーヌ:なに?
メラルダ:日頃なにを教育しているのだ!
ラシーヌ:はやくその捕虜達をひっ捉えなさい!どうせくだらない連中に
そそのかされたに違いありません。
エノラ:既にそのように!
ラシーヌ:捕まえたら、私の手で切り刻んでやるワ!
メラルダ:ラシ−ヌ!勝手は許さんぞ。奴らは大事な人質でな。
ラシーヌ:人質?
メラルダ:そうだ。地球人だ。
ラシーヌ:地球?
エノラ:ヤマトの艦長の妻子でございます。
ラシーヌ:ヤマト?あのヤマトか。
エノラ:そうです、あのヤマトです。
ラシーヌ:ならば、人質など要らぬではないか。我々にも・・・。
メラルダ:さりとて油断は出来ぬ。なにしろ、ただ一隻でデスラーのガミラス、
ズオーダー閣下の彗星帝国、スカルダート閣下の暗黒星団帝国、
そしてあのディンギルを打ち破った艦(フネ)だからな。
ラシーヌ:・・・。とにかく早く巫女を!
エノラ:はっ、かしこまりました!
〜ヤマト・第一艦橋〜
太田:ヤマト、小惑星帯を抜けるまで、あと3分!
南武:(モニターから)波動カートリッジ弾、準備完了!
古代:よし。南武、そのまま待機だ。
真田:艦長、反粒子砲の発射パターンが解析できた。
アステロイドリング制御を使おう!
古代:アステロイドリング?
真田:みんなも憶えているだろう?
太田:イスカンダルへ行く時にアステロイドベルトでガミラスの攻撃を
防御したやつですね?
真田:反重力感応機を小惑星に打ち込んで、回転防御するんだ。
北野:(モニターから)反重力感応機、発射準備完了しました!
古代:よし、小惑星帯を脱出したと同時にリング制御に入る。
太田:ヤマト、小惑星帯を抜けるまで、あと1分!
真田:それから連射波動砲の準備を!
古代:わかった!全乗組員、よく聞け!
ヤマトはこれより敵艦隊との総力戦に入る。
連射波動砲の充填に入るので、ビーム砲類は一切使用出来ない。
初めての波動砲連射だ!
山崎:波動砲、エネルギー充填60%。
太田:小惑星帯を抜けるまで、あと30秒!
山崎:波動砲、エネルギー充填80%。
太田:小惑星帯を抜けるまで、あと20秒!
揚羽:エネルギー波、接近!ヤマト到達まであと20秒!
真田:北野!反重力感応機、発射!
北野:発射!
反重力感応機が次々に小惑星に命中していく。
真田:回転制御、開始!
北野:回転制御、開始!
小惑星がヤマトの周囲に回転しながら集まり始める。
太田:ヤマト、まもなく小惑星帯を抜けます!
揚羽:エネルギー波、接近!
BOWAANNN!!!
反粒子砲のエネルギー波が回転している小惑星リングに衝突。
揚羽:エネルギー波、小惑星リングに衝突し消滅!
真田:成功だ!
揚羽:エネルギー第二波、接近!
次郎:いつでも来い!
BOWAANNN!!!
また反粒子砲のエネルギー波、小惑星リングに衝突。
揚羽:エネルギー波、消滅!
古代:よーし、次郎!艦首を敵の旗艦に合わせろ。
次郎:はい!!
山崎:波動砲エネルギー充填120%!
〜ヤマト・機関室〜
太助:ついに連射波動砲か!ワクワクするなぁ。
〜ルバルス艦隊・旗艦〜
スサノオ兵:ヤマト、小惑星を防御リングにして反粒子砲をかわしました!
ルバルス:小癪なまねを。反粒子砲、連射用意!息の根を止めてくれるわ!
スサノオ兵:反粒子砲、発射!
ヤマト、艦首波動砲発射口に集まるタキオン粒子。
〜ヤマト・第一艦橋〜
太田:敵旗艦、波動砲の軸線上に乗りました!
古代:ターゲットスコープ、オープン。電影クロスゲージ明度120。
波動砲発射、10秒前!対ショック対閃光防御!
9、8、7、6、5
揚羽:エネルギー波、接近!
古代:4、3、2、1、発射!!!
PICAAAA、DAUUUUUUUN
反粒子砲のエネルギー波と波動砲の光の束がぶつかり合い、
凄まじい閃光となって周囲の宇宙を照らす。
揚羽:エネルギー第二波、接近!
真田:艦長!連射だ!
古代:連射波動砲、第二段発射!!!
PICAAAA、DAUUUUUUUN
再び凄まじい閃光。反粒子砲と波動砲が激突。
凄まじい衝撃が両艦隊を襲う。
〜ヤマト・第一艦橋〜
次郎:左反転180度!全速離脱!
山崎:太助!波動エンジンフルパワーだ!
凄まじい衝撃がルバルス艦隊を襲う。
古代:よし!南武、左前方20度上下角3度、波動カートリッジ弾、発射!
南武:左前方20度上下角3度、発射!
波動カートリッジ弾がルバルス艦隊に次々と命中。
爆発、炎上していく。
壊滅するルバルス艦隊。
ルバルス:大帝万歳!スサノオに栄光あれ!
BOWAANNN!!!
爆発するルバルス艦。
〜ヤマト・第一艦橋〜
次郎:やったぜ〜!!
南武:よっしゃ〜!!
真田:うむ。艦長!
古代:真田さん。
次郎にウインクする揚羽
次郎:これがヤマトだ。俺達の艦(フネ)だ・・・。
古代:(原田艦長、谷艦長、俺達は勝ちましたよ!)
負傷した地球艦隊生存者が沸き返る。
負傷兵A:これで仲間の恨みをはらせた・・・。
負傷兵B:ヤマトがいて良かった。
揚羽:後方よりエネルギー弾、接近!
古代:なに!!??
太田:避け切れません!!
BOWAAUUUNNN!!!
艦内アナウンス:艦尾大破!コスモタイガー発艦不能!!
〜ヤマト・機関室〜
太助:エンジンルームにも火の手が。早く!消火を!早く!うあああぁぁぁぁ。
〜ヤマト・第一艦橋〜
山崎:た、たすけ〜!!
真田:すぐ行く!!北野、お前も機関室に急行してくれ!!
北野:(モニターから)了解!
古代:まだ残っていたのか!
揚羽:後方に敵艦確認!パネルに切り替えます。
パネルに映し出される艦影。
相原:こ、これは・・・!!!
古代:ど、どういうことだ!!!
次郎:ヤ、マ、ト、、、。
揚羽:そんなバカなこと・・・。
N:ルバルス艦隊の反粒子砲を連射波動砲で撃破したヤマト。
しかし、そのヤマトの前に立ちはだかったのは想像もしえない敵艦の姿であった。
牢獄から逃げ出したユキとタケルの運命は。
太陽系に迫るサルガッソー。急げヤマトよ!その脅威が地球に最接近し人類滅亡まで、
あと100と17日、あと117日しかない。
つづく