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第19話 「謎の艦、デスヤマト」
N:西暦2210年、新宇宙戦艦ヤマトは、太陽系にせまりつつあるサルガッソーの調査と
謎の敵の正体を解明するため、銀河系中心部へ向けて発進した。
敵の妨害を退け、連続ワープで太陽系を後にしたヤマトは、
地球艦隊を壊滅に追い込んだルバルス艦隊の反粒子砲に苦戦しながらも、連射波動砲でこれをせん滅。
しかし、勝利に沸くヤマトの前に現れたのは、もうひとつのヤマトだった。
窮地に立たされたヤマト。それを救ったのは、あのガミラスの総統、デスラーだった。
煙を上げながら宇宙空間を航行するヤマト。
〜ヤマト・第一艦橋〜
パネルに映し出される伊藤長官。
古代:長官。
伊藤:ヤマト、無事だったか。銀河系中心部で戦闘に入ったと報告があったので心配していたのだ。
古代:ご心配をおかけしました。長官、冥王星、海王星の両艦隊は、全滅・・・原田艦長、谷艦長も残念ながら。
伊藤:そうか・・・。
古代:ヤマトも敵の攻撃を受けましたが、ガルマンガミラスの援護で何とか脱出しました。
伊藤:ガミラスがまた助けてくれたのか・・・。
古代:これより、修理の為、ガルマンガミラス本星に向かいます。
伊藤:うむ。航海の無事を祈る。
古代:長官、その後、相談役の具合は・・・。
伊藤:一進一退というところだ。きっと藤堂さんも君達の帰りを待っているぞ。
古代:はい。
ガルマンガミラス本星へ降下して行くヤマト。
デスラーズパレスが見える。ドメル湾に着水するヤマト。
ドックへ入港するヤマト。ガミラス民衆の歓迎を受けるヤマト乗組員。
古代、真田、北野が迎えのオートチューブカーに乗り込む。
繁栄するガミラスタウン。
北野:すごい科学力だ。
真田:地球の科学力の比ではないな。
デスラーズパレスに到着し、オートチューブカーから降りるヤマトの一行。
古代:宇宙戦艦ヤマト、艦長の古代です。
ヴィダ参謀:ようこそガルマンガミラスへ。総統がお待ちです。
貴賓室に通される一行。
デスラー:古代、ようこそガルマンガミラスへ。本当に久しぶりだね。
古代:デスラー総統、窮地を救ってもらった。感謝するよ。
デスラー:礼には及ばぬ。我がガルマンガミラスと地球は兄弟星だからね。
古代:ありがとう。
デスラー:古代、君達に聞いてもらいたい話がある。そして、是非協力してもらいたい。
ヤマトの力が必要なのだ。
古代:早速聞こう。
デスラー:アクエリアスが去った後、我々はすぐにガルマンガミラスの復興に着手した。
しかし、破壊しつくされた母星の復興は容易ではなかった。
立て直すのに多くの犠牲を払った。
しかし、我々はガミラス人としての誇りを失わなかった。
必ずや再びガルマンガミラスを蘇らせてみせると誓った。
そして、ようやくここまで辿り着いたのだよ。
古代:見事な復興だよ。ガミラス人の努力には敬服する。
デスラー:しかし、安息も束の間。銀河系中心部にサルガッソーが出現し、
奴らの侵略が始まった。本星こそ無事だが、ガルマンガミラスは
再び壊滅状態となった。
古代:奴ら?
デスラー:君達が襲われたあの敵だよ。
古代:一体、奴らは何者なんだ!
デスラー:スサノオ帝国。
古代:スサノオ?帝国?
デスラー:反世界からこの銀河系を侵略しようとしているのだ。
真田:反世界?
〜スサノオ帝国・秘密ドック〜
ミコ:コッチ!オッキナオフネ。
猛:これか!ミコちゃん!
ユキ:ミコちゃん!暗いから足元に気を付けて!
ミコ:(ユキの方を振り返り)アリガトウ。
ユキ:(この子・・・何だか寂しそう。)
暗がりにぼんやりと浮かび上がる船の全景。
猛:でっかいなぁ〜。
ユキ:これは・・・・!!
スサノオ兵:おい、いたぞ!
猛:まずい、見つかっちゃった。
ユキ:この船に隠れるのよ。この船の中なら、敵も捜すのに苦労するわ!
スサノオ兵:早くしろ!急げ!
船のタラップを駆け上がる三人。
タケルを銃で狙うスサノオ兵。
照準を合わせるスサノオ兵。
トチローがそれを見つける。
トチロー:あれは?地球人!
すぐさまスサノオ兵を“戦士の銃”で狙うトチロー。
BAHYUUUNNN!!!
スサノオ兵:ウアアアァァァァ!
倒れるスサノオ兵。
応戦するスサノオ兵。
DOKYUUuuun!!DOKYUUuuun!!
タラップを駆け上がり船に乗り込むタケル達。
ユキ:誰?
タケル:誰かが僕らを守ってくれてるの?
ユキ:パパ?
スサノオ兵と銃撃戦を繰り広げるトチロー。
BAHYUUUNNN!!!
DOKYUUuuun!!
BAHYUUUNNN!!!
トチロー:ちくしょう!きりがねえや。次から次に追ってきやがる!
背後からトチローを狙うスサノオ兵。
それに気づき、倒れているスサノオ兵の銃を取り、撃つユキ。
ユキ:後ろ!危ない!!
DOKYUUuuun!!
トチロー:ふ〜っ、あぶねえあぶねえ!助かったぜ。女が撃った?
タケル達の所に飛び込んでくるトチロー。
タケル:おじちゃん、だれ?
トチロー:(ユキに向かって)さっきは危ないところをありがとよ!
ユキ:私達こそ、守っていただきました。
トチロー:俺の名は大山トチロー。地球人だ。
ユキ:トチローさん?
タケル:おじちゃん、強いね!
トチロー:いや、君のママほどではないよ。大した腕だぜ!
タケル:僕は古代猛。この子はミコちゃん。
トチロー:古代?まさか、君は・・・。
タケル:??
トチロー:お父さんの名前は?
タケル:古代進、宇宙戦艦ヤマトの艦長だよ!
トチロー:古代進!
ユキ:私は妻のユキです。主人をご存知なんですか?
トチロー:いや、お兄さんは守では?
ユキ:ええ。7年前に地上の戦闘で亡くなりましたが・・・。
トチロー:守の弟か・・・。死んだ?守が死んだ・・・。そうか・・・。
ユキ:私達は火星で襲われて、ここまで連れてこられたんです。
トチロー:そうだったのか。俺の船も奴等に襲われた。
奇跡的に命は取り留めたが、捕虜となった。
ユキさん、守は生きているよ!
ユキ:え?
トチロー:彼は俺の船に乗っていた。俺が生き残っているのだ、生きているはずだ。
ユキ:トチローさん、この船は・・・。
トチロー:デスヤマト。
ユキ:デスヤマト?
トチロー:私の船を改造したものだ。この星は地球そっくりの星なんだ。
俺達の住んでいる銀河のある宇宙とはまったく別の平行宇宙にある。
ユキ:平行、宇宙・・・。
トチロー:ああ。
一種のパラレルワールドみたいなもんだ。
生物の進化も、人類の誕生、歴史、文化も、みんなそっくりに進んでいる。
ユキ:そんなことって・・・。
トチロー:信じられんが、目の前にあるのが現実だ。
地球もヤマトの大型計画があったが、アクエリアスの去った後、平和が訪れた
おかげであの計画は封印された。
ユキ:こちらの世界では、それが進んだ!
トチロー:ああ、そうらしい。
タケル:ヤマトよりうんと大きいよ。
トチロー:ああ、20倍のスケールだ!
この船に潜り込めば、地球の船に出会えるんじゃないか?
ユキ:そうかもしれないわね。
ミコ:コッチ。
タケル:隠れる場所あるの?
N:ガルマンガミラスのデスラーと再開した古代達は、ついに敵の正体を知った。
スサノオ帝国は、反宇宙で地球と同じ環境で進化した地球そっくりの星だった。
スサノオ帝国からの脱出を企てるユキ達を助けたトチローは、古代進の兄、
守を知っていた。
太陽系に迫るサルガッソー。急げヤマトよ!その脅威が地球に最接近し人類滅亡まで、
あと100日、あと100日しかない。
つづく