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第20話 「デスラーと共に!」

N:西暦2210年、新宇宙戦艦ヤマトは、太陽系にせまりつつあるサルガッソーの調査と   謎の敵の正体を解明するため、銀河系中心部へ向けて発進した。   ヤマトは敵の操る“もうひとつのヤマト”に遭遇し窮地に陥るが、デスラーに救われ、   スサノオ帝国が反宇宙で地球と同じ環境で進化した地球そっくりの星であり、   地球やガルマンガミラスを含む銀河系を侵略しようと企てていることを知る。   一方、スサノオ星から脱出を図ろうとしたユキ達は、死んだはずの古代守を知る   トチローという謎の男と出会う。   その頃、スサノオ帝国・作戦司令本部では・・・。 〜スサノオ帝国連邦・軍作戦司令本部〜 ラシーヌ王妃:まだ巫女はみつからぬのか? スサノオ兵:申し訳ございません。デスヤマトに逃げ込んだという情報が        ありましたが、まだ見つかっておりません。 ラシーヌ:何をぐずぐずしておるのだ! エノラ:実はもう1名脱走しまして・・・。 ラシーヌ:なに? メラルダ:まさか奴ではあるまいな! エノラ:実は・・・トチローが・・・。 ラシーヌ:ええい、もういい!自分で捜します! メラルダ:ラシ−ヌ!待て!古代の妻子がこちらにいる以上、ヤマトは我々に       手出しは出来ぬ。 ラシーヌ:しかし巫女が! メラルダ:それに古代守も我々があずかっている。       エノラ!奴の状態はどうだ! エノラ:意識を回復しました。 メラルダ:デスヤマトの最強の力を引き出す方法を奴が握っている。       巫女はデスヤマトの中にいるのだ、すぐに見つかる、安心しなさい。 ラシーヌ:・・・はい。 メラルダ:エノラ!良いか、守から目を離すな!トチロー達は袋の鼠だ!       それから・・・ううむ。 エノラ:大帝、何でございましょう? メラルダ:イザ兄妹を呼べ。 エノラ:イザ兄妹・・・、あの兄妹をでございますか? メラルダ:グレートエンペラー様には、私からもお願いしておく。 エノラ:かしこまりました。 メラルダ:あの兄妹にかかっては、ヤマトも赤子同然。       フフフフフ、ハハハハハハ! 〜ガルマンガミラス星・デスラーズパレス〜 古代:スサノオ帝国? デスラー:反世界からこの銀河系を侵略しようとしているのだ。 真田:反世界? タラン:私からご説明しましょう。      つまり、反世界とは我々がいるこの銀河を含む宇宙とつながる平行宇宙のことです。      反宇宙と言ってもいいでしょうか。     (パネルに模式図を映して)これがその入り口に当たるバウンダリーです。      ここにはサルガッソーがあって、太陽系へ向かって猛スピードで接近しています。      このサルガッソーを破壊しないと、彼らの母星のある反宇宙に入ることは出来ません。 真田:彼らの母星の位置は確認できているんですか? タラン:銀河系のオリオン腕にある太陽系の第三番惑星。 北野:地球と同じじゃないか! タラン:反世界ですから、宇宙自体が同じ構成になっていてもおかしくありません。 古代:では、地球の船とそっくりなものを作る技術があるのも・・・。 真田:進化の過程が同じであれば、結果として同じ文化や同じ技術が発展しても     何ら不思議ではないな。 古代:彼らは地球で開発中のコスモジャガーや、新型アンドロメダに酷似したものを     持っているようです。そして、、、 北野:アナザーヤマト・・・。 デスラー:ワープで逃げた奴らのヤマトか・・・。 タラン:古代艦長、彼らのヤマトには生命反応がありませんでした。 古代:なんですって? 北野:遠隔操作ってことですか。 真田:おそらくな。ヤマトもイスカンダルから帰還した後、船全体を自動制御に     改造する計画だったからな。他にも、秘密裏に進行していたヤマト計画が     いくつもあったんだが、みな計画中止になったと聞いている。ヤマトを何隻も作って     艦隊を作る計画や、大型ヤマトとか、もちろんオール自動制御遠隔操作のヤマトもね。 古代:人の血が通っていてこそ“ヤマト”なのに。 真田:俺達のヤマトは、無人戦闘マシーンには負けない。 古代:ええ。 デスラー:古代、これ以上、奴らの侵略を指をくわえて見ているわけには行かん。       力を貸してほしい。 古代:わかった。共に闘おう。 デスラー:我々の艦隊にヤマトが加われば無敵だ。 真田:古代、ユキやタケル君のことも心配だ。 デスラー:古代、お前の妻子か? 古代:ああ。奴らに火星で襲撃を受け、連れ去られてしまった。 デスラー:なんということだ。愛する家族を・・・、許さん!!       古代!家族を必ず救い出すのだ。 古代:ありがとう、デスラー。 デスラー:タラン!全兵士をデスラースクエアに集合させろ!出撃準備だ!       連合艦隊の旗艦は“宇宙戦艦ヤマト”だ! 〜ヤマト・病室〜 京塚:皆さん揃って退院できて、本当に良かったですね。 アナライザー:皆サン、オメデトウゴザイマス。 椎名、加藤:有難う御座います。 池垣隊長:これ以上、この二人と一緒に寝ていたら、暑くってしょうがねえや! 古野間:仲の良い二人に当てられっぱなしだったようですね、隊長! 加藤:そ、そんな! 古間野:(加藤の肩を叩きながら)このスケベ飛行機野郎が! 加藤:なに!?スケベとはなんだ! 古間野:(笑いながら)本当のことを言って何が悪い! 加藤:貴様! アナライザー:早速ケンカデスカ!? 椎名:古間野さん、加藤隊長は私を心配してくれただけです。 古間野:いいね〜、こんなかわゆい彼女に心配されてーな、俺も。 加藤:まあ、無理だな! 古間野:なにを! アナライザー:アナタガタハ、マッタク進歩ガアリマセンネ? 古間野:アナライザーに言われちゃ、しょうがねえや!! 加藤:まったくだ! 一同:わははははは!!! 京塚:では、徳川さんの手術が始まりますので、失礼します。 一同:(敬礼する) 〜ガルマンガミラス・デスラーパーク〜 ヤマトのクルーを連れてデスラーパークを案内しているガミラスの案内人。 ガミラス案内人:ヤマトの皆さん、これがデスラーズパレスに併設されたデスラーパークです。 広大な敷地に敷詰められた花壇や池。噴水が光を反射して眩しい。 揚羽:きれいねぇ。地球にはない花がたくさん! 次郎:アッコ、花なんかに興味あるんだ? 揚羽:失礼ねぇ、私だって女の子よ!きれいな花には弱いわ!ねぇ、ミーくん。 次郎:なんでアッコがミーくん連れてるんだよ。 揚羽:佐渡先生が太助先輩の手術やいろいろで忙しいから預かったのよ。 次郎:ネコの手も借りたいんじゃないの? 〜ガルマンガミラス・軍事工場〜 軍事工場を案内しているガミラス兵。 ガミラス兵:こちらがガルマンガミラスの技術の推移を極めた戦艦を製造している工場です。 組み立て中の弐連三段空母や駆逐艦、新型戦闘機が並ぶ。 赤城:すげえな!さすが銀河系一の軍事国家だ。 雷電:見方でよかったぜ。 坂巻:まったくだ! 赤城:だけど、それを相手に29万6千光年の旅をやってのけたんだろ、ヤマトは? 坂本:ああ、だからすごい鑑(フネ)なんだよ、ヤマトは・・・。 一同頷く。 〜スサノオ帝国連邦・銀河系外周基地〜 スサノオ兵:ダーデル軍曹、邪魔者の正体がわかりました。 ダーデル:うむ。 スサノオ兵:ガルマンガミラスです。 ダーデル:なに?ガミラス・・・。デスラーのガミラスか。 スサノオ兵:地球と同盟を結んだとの話もあります。 ダーデル:うーーむ。こしゃくな奴め。だから早く叩いておけば良かったのだ。       地球攻略などその後でも・・・。 スサノオ兵:ただいまヤマトはガルマンガミラス星で修理の為模様です。 ダーデル:バウンダリーで待ち伏せするのだ。こちらのヤマトの力を見せ付けてやるわ! 〜ガルマンガミラス・デスラースクエア〜 ガミラス兵が整列している。 ガミラス兵:デスラー総統、バンザ〜イ!デスラー総統、バンザ〜イ! ガミラス兵に向かって手を揚げるデスラー総統。 デスラー:諸君。これより我々は反宇宙にある敵母星へ向け出撃する。       これは我ガルマンガミラスの命運を掛けた戦いになる。       厳しい闘いになるだろうが、銀河系宇宙の平和を守るためにも、       総力を挙げて必ずや勝利を勝ち取るのだ! ガミラス兵:おーーっ!       ガミラス兵:デスラー総統、バンザ〜イ!デスラー総統、バンザ〜イ! デスラー:出撃準備に入れ! 〜ヤマト・展望室〜 ヤマト乗組員が整列している。古代が全員の前に立ち、 古代:これよりヤマトはガルマンガミラス艦隊と共に敵スサノオ帝国の母星へ向け発進する。     敵の正体はいまだにはっきりしないが、まず太陽系に迫るサルガッソーを破壊し、     然る後に反宇宙に突入する。 乗組員:反宇宙? 古代:反宇宙というのは、平行宇宙とも言って、我々の宇宙とはまったく別の宇宙が存在する。     スサノオ帝国は、その反宇宙銀河の地球にあたる星。つまり、我々に良く似た星なんだ。 加藤:火星でコスモジャガーのような戦闘機を見ました。それからアンドロメダにそっくりの戦艦も! 真田:それどころか、奴らはヤマトまで持っているんだ! 乗組員:え〜っ。 ざわつく乗組員。 古代:みんな!静かに! 静まりかえる展望室。 古代:今度の敵はかなり手強い。正直、艦長の俺も不安だ。     だが、ヤマトは負けない!我々はヤマトの戦士だ!     今までヤマトはどんなことがあっても最後まで諦めず闘い抜いた。     そして最後に必ず勝つ!地球の平和だけじゃない、ヤマトの使命は宇宙全体の平和を     守ることなのだ。その為にヤマトはずっと闘ってきたんだ。     そして、ヤマトは新たな脅威から宇宙の平和を守るために再び蘇った。     我々は偽者ヤマトなどに絶対に負けない!     みんな、俺に力を貸してくれ!もう一度、みんなとヤマトで宇宙の平和を勝ち取りたいんだ! 次郎:俺達はヤマトの戦士だ!絶対勝とうぜ! 坂巻:いいこと言うぜ、若いの! 相原:太助の為にもがんばろうぜ! 雷電:そうですよね! 太田:藤堂さん・・・。 太田の肩に手を置き、頷く真田。 太田の目に涙が溢れている。 真田:太田、絶対に勝って地球に帰るんだ!そして、藤堂さんに報告しよう!    そして艦長!ユキとタケル君を絶対に救うんだ! 古代:(頷きながら)ヤマト、発進準備にかかれ! 全員敬礼。 〜ヤマト・手術室〜 京塚:先生!徳川さんが・・・。 アナライザー:先生! 佐渡:うむ。 N:ついにヤマトは、敵スサノオ帝国のある反宇宙に向かって出撃する。   果たしてヤマトは、敵のアナザーヤマトを倒せるのか。   徳川太助の運命は・・・。そして古代は、ユキとタケルを救うことができるのか。   太陽系に迫るサルガッソー。急げヤマト!人類滅亡まであと90日、あと90日しかない。 つづく