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第四話 「アルカディア襲撃」
N:西暦2210年、太陽系にせまりつつあるサルガッソーの調査を行なう為
派遣された調査船団が、銀河系中心部で謎の艦隊の攻撃を受けた。
信じ難いことに、調査船団が目にした『敵』は新型アンドロメダを中心とした
まさに地球艦隊であった。
調査の結果、各惑星のどの基地からも地球艦隊は出撃していないことが判明した。
事態を重く見た地球防衛軍の藤堂相談役は、サルガッソーと謎の敵の調査を行うため、
火星の地下秘密ドッグで建造中のヤマトを発進させることを決めた。
一方、相談役からの辞令を受け、古代以下ヤマト乗組員は、火星へ向かっていた。
〜第一パトロール艇A120〜
相原:こちら第一パトロール艇A120。まもなく火星軌道上に到達。
軌道に乗った時点から誘導をお願いします。
〜地球防衛軍・火星基地通信誘導センター〜
揚羽明子:A120、了解。ひょっとして相原さんですか?
元ヤマト通信班長の相原さんですよね?
相原:は、はい、そうですが?
揚羽:私、明子です、揚羽明子と申します。私、ヤマトと相原さんの大ファンなんです!
〜第一パトロール艇A120〜
南武:おーおー。お安くないね〜。晶子さんに言いつけようかな。
相原:南武さん、ひやかさないで下さいよ!アキコって言うから、嫁さんと同じ名前だな〜って、
ただそれだけですから。
揚羽:ス、スミマセンでした。私、初めてお話しするのにバカなこと。
A120、誘導サイン受信後にセーフティロック解除下さい。
相原:りょ、りょ、りょ、了解!
南武:お前が緊張することないだろう。
全員:ハハハハハ。
〜スサノオ帝国連邦・軍作戦司令本部〜
エノラ参謀長:大帝閣下にご報告致します。
スサノオ時間15時10分、アスカ艦隊第二空挺部隊より
反世界太陽系の火星空域に到達したとの連絡がありました。
スサノオ兵:古代親子の調査も終了です。
メラルダ大帝:よし。作戦を実行せよ。
エノラ:はっ。
メラルダ:絶対に失敗は許さん。必ずあの親子を捕らえるのだ!
エノラ:かしこまりました。アスカ提督に打電しろ!作戦を実行せよ!
〜第一パトロール艇A120〜
太田:古代さん!レーダーにエネルギー反応、火星アルカディア平原付近へ
向け急速降下中!ちょうど火星の裏側ですね。
古代:アルカディア平原?何が降下してるかわかるか?数は?
太田:艦載機ですかね?詳細は不明ですが…。20機以上はいますね…。
南武:アルカディアって、古代さんの家の近くじゃないですか。
古代:ああ。相原、ちょっと替わってくれ。
古代、相原の通信席に座る
古代:こちらA120。火星基地、応答願います。
揚羽:A120、どうぞ。
古代:こちらのレーダーにアルカディア平原付近に降下する多数の機影を確認。
詳しいことを知りたい。
揚羽:こちらでも確認しましたが、動きが早く掴みきれません。艦載機のようですが…。
古代:やはりそうか…。気になるな。
南武:古代さん、行きましょう!
〜火星・アルカデイア平原居住地区〜
アスカ艦隊第二空挺部隊がアルカディア平原の住宅地を爆撃開始。
逃げる人々。爆発音。
降下兵多数。その脇を飛び去る艦載機。爆撃。爆発音。
〜古代邸〜
ユキ:タケル!タケル!こっちよ、タケル!
タケル:ママ!どうなってるの?戦争が始まったの?
ユキ:ママにもわからないわ。でも、とにかく安全な場所まで非難しなくちゃ。
(あなた、私とタケルを守って…。)
窓の外は燃え盛る炎。街が火の海である。
玄関から出ようとしたその瞬間、玄関から武装兵がなだれ込んでくる。
ユキ:あ、あなた達は…、な、なんなの?
武装兵は催涙弾を発射。煙が充満する室内。
タケル:お前、あの時の男・・・。
タケルが倒れこむ。
ユキ:タケル!!しっかりして、タケル!
そう言いながら自分も煙にやられ倒れてしまうユキ。
二人を抱きかかえ、連れ去る武装兵。
〜アルカデイア平原居住地区・上空〜
飛び交う艦載機。それを打ち落とす別の艦載機。コスモタイガー隊。
椎名晶(シイナアキラ):派手にやってくれるわね!コスモタイガー隊をなめないでよ!
次々に艦載機を打ち落とすコスモタイガー隊。
加藤四郎:椎名!深追いするな!
坂本茂:隊長!なんかあの艦載機、コスモジャガーに似てませんか?
加藤四郎:まさか。最新鋭のジャガーがこんな所にいるわけないだろう!
椎名:それに、居住区を空爆するなんて。
もう一度、艦載機を見る加藤。そのうちの一機に、ユキとタケルの載った
艦載機を見つける加藤。
加藤:あ、あれは!
坂本:どうしたんですか?隊長!
加藤:いや、なんでもない!目の錯覚だろう!
(まさか、ユキさんと子供・・・。古代さんの・・・。)
また艦載機を打ち落とす椎名。
椎名:よっしゃ〜!隊長!最後の一機も撃破しました!
加藤:お前、茂より腕がいいんじゃないか?
坂本:隊長、それはないでしょ!しかし女とは思えんな〜。
椎名:は?なんか言いました?
坂本:なんでもないよ!
加藤:敵さんもお前ぐらいの腕のヤツにやられたなら
本望じゃないかと思ってな。
椎名:それほどでも!
加藤:コラー!調子に乗るなっ!全機、火星基地へ帰還せよ。
椎名:はい!
〜第一パトロール艇A120〜
太田:コスモタイガーだ!加藤が来てくれたんだ。
相原:相変わらず凄い腕だな!
古代:とにかく安全な場所に降りてくれ。
太田:了解。
南武:古代さん、ユキさん達は…。
古代:大丈夫だ、心配ない。あいつだって元ヤマト乗組員だからな。
相原:そうですよ。みんなで手分けして探しましょう。
古代:(ユキ、タケル、今パパが助けてやるからな)
〜アルカデイア平原居住地区〜
瓦礫の中を走る古代。
古代:ユキ〜!タケル〜!
自宅の前へ来る古代。家に駆け込む。部屋中を探すが見つからない。
ガスの臭いに気付く。
古代:襲撃されたんだ。ガスで眠らされたんだ。クソ〜!
誰なんだ、一体誰がこんなことを!
〜地下ミランコビッチドッグ〜
真田:このドッグはミランコビッチクレーターの地下1200mにあるんだ。
地上の攻撃にはびくともしない。
雷電五郎:地球の連中が蘇ったヤマトを見たらどんなに驚くか!
坂巻浪夫:新しいヤマトか〜。
仁科春夫:ワクワクするぜ!
坂東平次:それに載り込めるんだからな、俺達も幸せ者よ!
真田:今度のヤマトには更に強力な装備も加わっているからな。あれがそうだ!
赤城大六:波動砲?今までのタイプと変わらないんじゃないですか?
真田:見た目はな。出力は元より、連続発射が3回まで可能になっている。
山崎:新エンジンの性能だよ。
赤城:機関長!
山崎:おまえら来るのが遅いぞ!太助はもうとっくに乗組んでエンジン整備してるぞ。
坂巻:うへ〜っ。また鬼機関長の説教が聞けると思うとうれしいですね〜。
雷電:強烈なのがな。
山崎:何か言ったか?
坂東、赤城、雷電、坂巻、仁科:いえいえ、なんでもございません。
アナウンス:ヤマト乗組員は、19時迄に第一甲板に集合のこと。繰り返します。ヤマト乗組員は、
19時迄に第一甲板に集合のこと。
真田:いよいよだな。
山崎:私も年甲斐もなく昨夜は興奮して寝付けませんでしたよ。
南武:おーーい。
山崎:お?来たな!
真田:待っていたよ。
古代:遅くなって申し訳ございません。
山崎:アルカデイア平原の戦闘に?
古代:我々が到着したときには既にコスモタイガーが反撃してくれて、敵は逃げたあとでした。
真田:古代、ユキはどうした?
古代:タケルも一緒に何者かに連れ去られたと思われます。
真田:!!・・・。そうか・・・。
相原:敵の艦載機が逃げていくのを見ました。
真田:行こう、古代!敵の本体を見つけて、ユキとタケル君を救うんだ!
太田:そうですよ、ヤマトで行くぞ!
南武:ああ、俺達のヤマトで!
古代:ああ。
そびえ立つヤマト。それを見上げる古代。
N:ついに蘇ったヤマト。そのヤマトの前に立ちふさがるスサノオ帝国連邦とは一体どんな敵なのか。
連れ去られたユキとタケルの運命は・・・。
銀河系中心部から迫るサルガッソー。その脅威が地球に最接近する日まで、
あと300と18日、318日。
つづく