第九話 「ヤマト危うし!異次元の罠」

N:西暦2210年、地球防衛軍は太陽系にせまりつつある移動性サルガッソーを   確認した。火星のアルカディア居住地区で古代の妻ユキと息子猛がスサノオ帝国の人質となってしまった。   火星地下ドッグで蘇った新宇宙戦艦ヤマトは、サルガッソーの調査と謎の敵の正体を解明するため、   銀河系中心部へ向けて発進、新型波動エンジンのワープテストに成功した。   一方、サルガッソー調査船団はスサノオ帝国ダーデル艦隊の反粒子砲によって全滅。   助に向かおうとしたヤマトも敵からの奇襲を受けたのだった。
〜太陽系木星空域・アスカ艦隊〜
スサノオ兵A:提督!次元転移ミサイルの準備完了しました! アスカ提督:次元転移予測開始せよ!30分後のヤマトの位置を正確に       割り出すのだ。 スサノオ兵B:方位420(ヨンフタマル)、距離3000、ヤマトの位置予測完了!        30分後に着弾でロックオン。 アスカ提督:よし。5分間隔でヤマトへ向けて発射せよ。 スサノオ兵C:30分後のヤマトへ向けて発射! スサノオ兵D:続いて35分後のヤマトへ向けて発射! スサノオ兵A:続いて40分後、45分後のヤマトへ向けて発射! アスカ提督:30分後の奴等の顔が見ものだ。どこから攻撃されているか       想像もつくまい。ハハハハハ。
BAOWAANNN!!! BAONNN!!!
被弾するヤマト。
〜ヤマト・第一艦橋旗艦〜
真田:アナライザー、敵の攻撃パターンを調べてくれ! アナライザー:了解。
BAOWAANNN!!! BAONNN!!!
また被弾するヤマト。 艦内アナウンス:第2砲塔損傷。
BAOWAANNN!!! BAONNN!!!
艦内アナウンス:右舷パルスレーザー砲損傷。 南武:このままじゃ船がもたない! 揚羽:ミサイルまた接近!
BAOWAANNN!!!!
北野:まだか、アナライザー!
BAOWAANNN!!!!
乗組員:うわあぁぁぁ〜っ! 艦内アナウンス:左舷魚雷発射口損傷! 煙を吐いて落ちていくヤマト。 アナライザー:(ピコピピコ、ピピコピコ)敵ノ攻撃パターン判明!        5分オキニヤマトニ攻撃ヲ加エテイル模様。出現パターンハ次元転移! 北野:次元転移?まさか?開発中の…。 真田:北野、どうした。 北野:もしも、敵が次元転移ミサイルでヤマトを狙っているとしたら、これは地球の武器です! 古代:何!? 北野:まだ防衛軍の秘密科学開発チームで開発中と聞いていたんですが・・・。 真田:技術が盗まれたということか? 北野:わかりませんが、その可能性はあると思います。 古代:どんな武器なんだ! 北野:目標の時間と座標、つまり次元をあらかじめ計算で予測して、近未来の次元に転移装置を使って    ミサイルを撃ち込むんです。 なおも次元転移ミサイルがヤマトを襲う
BAOWAANNN!!!
太田:対抗する手立てはないのか? 北野:次元転移シールドがあれば防げます。 真田:次元転移をさせないという訳か。 北野:うまくいけば、おそらくミサイルは敵のいる次元に逆転移してくれるはずです。 古代:相原、大至急防衛軍司令部に状況を伝えて、次元転移ミサイルについての資料を送らせるんだ。 相原:了解! 真田:北野、力を貸してくれ。大至急、シールドを開発しなくてはならん。 北野:わかりました。それまで、敵の予測をかわさなければなりません。 古代:アナライザー!敵の攻撃パターンをかわす運航パターンを割り出せるか? アナライザー:既ニ計算中!(ピコピピコ、ピピコピコ) 揚羽:頼むわね、アナちゃん!秀才ロボット君! アナライザー:アナチャン?秀才?ヤット僕ヲ理解シテクレル人ガ現レタカ。        任セテクダサイ、完璧ナナビゲーションヲオ見セシマス。 次郎:大丈夫かな…。 アナライザー:ダマレ、新人!先輩ノ言ウトオリニ操縦スレバイインダ! 次郎:チェッ!アッ子がちょっといい顔したらこれだもんな、スケベロボット! アナライザー:マズ、ワープシマショウ。小ワープデ時間ヲ稼ギマショウ。 次郎:了解。ワープ準備。 古代:総員ベルト着用! 次元転移ミサイルがヤマトに接近。着弾寸前でワープで消えるヤマト
〜アスカ艦隊・旗艦〜
スサノオ兵:ヤマト、ワープしました! アスカ提督:ハハハハハ。ヤマトめ、次元転移ミサイルの威力に怖じ気付いたか。 スサノオ兵:ワープ明け地点の予測に入ります。 アスカ提督:逃がさん! ヤマト、ワープ明け。
〜ヤマト・第一艦橋〜
次郎:ワープ終了! アナライザー:敵モオソラク、スグニワープ明ケ地点ヲ予測シテクルト思ワレマス。 次郎:この後はどうすればいいんだ。 アナライザー:前後左右ニ速度ヲ微妙ニ変エナガラ動クンデス。 次郎:簡単に言うなよ。 アナライザー:簡単ジャナイカラ予測ガデキナインダ! 古代:次郎!アナライザーの言う通りに操縦するんだ。 次郎:はい、艦長! アナライザー:ホラミロ!言ウトオリニスレバイインダヨ! 次郎:チェッ!
〜アスカ艦隊・旗艦〜
スサノオ兵:ヤマト、ワープ明け地点わかりました! アスカ提督:フフフ。次元転移ミサイル、発射!
BOAANNN!!!
ミサイル、次元転移しヤマトに向かう。
〜ヤマト・第一艦橋〜
揚羽:ミサイル接近! 次郎:何度もくらってたまるか! 微妙に揺れながら飛ぶヤマト。 ミサイルがスレスレで通過して行く。 揚羽:ミサイルかわしました! 次郎:やった! 揚羽:すっごーい! アナライザー:ソレホドデモナイデスヨ・・・。 揚羽:次郎君!かっこいー! アナライザー:アレ?僕ジャナイノ?ソンナ、アレ? 次郎:機関長!出力のアップダウン激しくてすみませんが、宜しくお願いします!
〜ヤマト・機関室〜
山崎:任せとけ! 徳川:兄貴も結構人使い荒かったけど、血は争えないねぇ。
〜ヤマト・第一艦橋〜
古代:(モニターで工作室に)真田さん、状況はどうですか?
〜ヤマト・工作室〜
真田:まだしばらくかかる。がんばってくれよ! 北野:地球から送ってもらった次元転移ミサイルのデータを解析中です。
〜ヤマト・第一艦橋〜
古代:(モニターで工作室に)真田さん、北野、頼んだぞ!
〜アスカ艦隊・旗艦〜
スサノオ兵:ヤマト、ミサイルをかわしました! アスカ提督:フフフ。生意気な! スサノオ兵:予測不可能な動きをしているようです。 アスカ提督:こちらも微妙にずらして撃て!前後左右にずらしながら撃つのだ!
BOAANNN!!! BOAANNN!!!
再び次元転移ミサイルがヤマトを襲う
BAOWAANNN!!!
乗組員:うわあぁぁぁ〜っ! 左舷から煙をはくヤマト。
〜地球防衛軍・火星基地〜
司令部員A:ヤマトより入電!木星軌道上で敵の次元転移ミサイル攻撃を受けている模様。 伊藤長官:次元転移ミサイルだと? 司令部員A:ワープでかわしているようですが苦戦中と。 伊藤長官:科学開発チームが開発中の・・・、そんなバカな・・・。 藤堂相談役:冥王星や海王星からの応援艦隊はまだか。 司令部員B:現在、土星空域。 藤堂相談役:ヤマト・・・。持ち堪えてくれよ。
〜ヤマト・第一艦橋〜
揚羽:またミサイル接近! 次郎:くそ〜っ! 古代:次郎!止めろ! 次郎:は? 古代:船を止めるんだ! 次郎:どういうことですか? 太田:そうか!動くから予測されるんだ。止まるという予測はしずらい! 次郎:わかりました!船を停止します。 次元転移ミサイルがヤマトの前方を通り過ぎて行く
〜ヤマト・第一艦橋〜
南武:なるほど、さすがだ! アナライザー:ソレホドデモナイデスヨ・・・。 相原:アナライザー、お前じゃないよ! アナライザー:アレ?ソンナ、アレ?
N:アスカ艦隊の次元転移ミサイルに苦戦するヤマト。ヤマトはどうやって   立ち向かうのか。応援に向かう地球艦隊は果たして間に合うのか。   捕虜になったユキとタケルの運命は・・・。太陽系に迫るサルガッソー。   その脅威が地球に最接近し人類滅亡まで、あと100と40日、あと140日しかない。
つづく